鎌倉市長選挙の結果、神奈川新聞より・・・

鎌倉市長選挙の結果】

今回の鎌倉市長選は、松尾崇氏に対する事実上の信任選挙だったといえる。対抗馬は告示まで1カ月を切っても現れず、最終的に無所属の岩田薫氏との一騎打ちとなった。

 現市政に、イエスかノーか−。結果は松尾氏にとって楽観できるものではなかった。

 投票率は37・40%と過去最低にまで落ち込み、市民の関心の低さは顕著だ。得票数は3万2875票で前回4万96票から大きく減らし、知名度の低い新人に票差を詰められた。“薄氷の信任”は、2期目の市政運営に影響を及ぼしかねない。

 一方で、「一貫性がない」「場当たり的だ」と松尾氏を批判し、選挙直前の本会議で問責決議案を可決した議会側も無傷ではいられない。民意を問う絶好の機会に「別の選択肢」である対抗馬を立てられなかったからだ。

 大きな争点となったごみ処理施策への反対意見は、条例改正案が議会に提出される見通しの12月以降、再び噴出するだろう。しかし「ならばなぜ市長選で戦わなかったのか」という疑問は付いて回る。議会側もまた、市民への丁寧な説明が必要だ。

 「議会も市民の信任を得た立場」(市議)だからこそ、市民を置き去りにした議論は許されない。膠着(こうちゃく)する現状を打開し、いかに現実的な結論を導き出すか。双方の真摯(しんし)な議論が期待される。
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