『屋根の上のヴァイオリン弾き』

昔の 「美女軍団」 に誘われて、日生劇場で公演されている ミュージカル『屋根の上のヴァイオリン弾き』 を観て来ましたョ〜。 何しろ子供が学生時代の学芸会での舞台しか観たことが無いので、ヨカッタ!切符が一枚余るとのことで義理の姉も誘って行ったら客席の9割以上が 昔若かった事があると思われる 「美女軍団」 で新鮮でしたョ〜???


物語は、帝政期のロシアの寒村アナテフカに住むユダヤ人、テヴィエ一家の悲劇を描くから、一見暗く重そうに感じる。が、歌と踊りとセリフがぴったりマッチして家族の一大事をわかり易くとんとん進めてゆく。だから、一家の行く末がどう演じられるかが大きな関心事になる。その点、会話、アクション、音楽、照明などが ピタリと合っていたので 素晴らしい舞台でした! さすが プロ!

五人娘の父親テヴィエは、民族の伝統としきたりを通して娘たちの幸せを願うが、年頃の三人の娘たち、長女ツァイテル(匠ひびき)、次女ホーデル(剱持たまき)、三女チャヴァ(安倍麻美)は、次々と自分が決めた相手と結婚宣言する。そのたびに妻ゴールデ(浅茅陽子)にどやされながら、悩み怒り揚げ句、天に向かって神にお伺いを立てるテヴィエなのだ。「親が決めた結婚を娘は拒否しました。こんなこと許されていいんですか、神様? が 一方、娘も幸福になる権利はある…」。

神とおのれの良心と煩悶し合う父親像を、市村正親さんが愛嬌たっぷりに好演しておられました。客席の同じ立場のお父さんを納得させるに十分な気合だ。娘たちも父親を尊敬しながら、古いしきたりを破る勇気を新鮮に表現する。妻ともども、博多座から新メンバーとなった家族が、構えずナチュラル感覚なのが問題を身近にしている。

が、一転、名曲「サンライズ・サンセット」が唄われる1幕終わりの長女の結婚式シーンでは、ユダヤ伝統の雰囲気を踏まえ、市村以下家族、同胞が正調に合唱する。伝統作品の格調を歌唱シーンでは厳かに、家族を取り巻く大騒動では現代を呼吸する思いきりの普通っぽさで演じる。そこにユダヤ民族の悲劇と人間の尊厳、平和といった命題がさらっと張り付く。押し付けがましくないところがいい。 (案内文を少し借用)
http://www.toho.co.jp/stage/yane2005/welcome-j.html
伯爵



ミュージカル 『屋根の上のヴァイオリン弾き』 の Web より


昔は 森繁さんが、今は 市村正親さんが好演!